多くの方は「なんだか楽そう!」と考えがちだと思うんですよね。
実際私もそうでした。
『たまに学生相手にカウンターで話して、事務職としてのんびり時間を過ごして、毎日定時に帰って・・うほほい♪』
そんな甘い考えを私も持っていました。
ですが、実際のところ大学職員の仕事はそれほど楽ではありません。
じゃないと、私がこうやってわざわざブログを書くこともありませんし笑
ざっくり言ってしまうと、大学職員は学生と教授をつなぐパイプライン的な役割を持っています。
いわば、職員全員が中間管理職のような立ち位置です。
ほら、早くも中間管理職という嫌なワードが出始めたでしょう?
今回は、実際に大学職員として働いている私が、大学職員の仕事内容についてありのまま書いていこうと思います。
この記事を読めば、大学職員という仕事についての理解が深まり、大学職員を目指すべきかどうかの悩みを解決できます。
大学職員を目指している!という方は、ぜひこの記事に一度目をとおしてみてください。
大学職員という仕事の特徴
では、順に解説していきますね。
仕事の種類が豊富
大学職員は一般事務職と違い、仕事内容が豊富です。
扱っている部門も、学生生活の担当、就職支援の担当、履修関係の担当などいろいろあります。
そして、職員は2~5年周期での異動が基本。
なので、結果的に大学職員はスペシャリストではなくゼネラリストとして育成されます。
当然、最初にやりたいと思っていた仕事に就けない場合もあります。
つまり、自分の苦手とする分野にも挑戦しなければならないということです。
仕事にギャップを感じることも多いです。。
コミュニケーション力が必要
大学職員は他の仕事と同じく、コミュニケーション力が必要です。
仕事内容が豊富だからですね。
お互いにどんな内容の仕事をしているかわからない職員同士でのコミュニケーションが必要です。
もちろん、部署によっては学生や教授とも何度もコミュニケーションをとる必要が出てきます。
また、最近では学生の保護者様や地域住民の方々と話す機会も多いため、よりコミュニケーション力は重要視されます。
コミュニケーションを避けたいと思っている人は、はっきり言って向いてません!
教授とのやり取り
大学職員は当然、教授ともやり取りをすることになります。
このやり取りが結構大変なのです。。
もしかしたら私が勤めている大学だけかもしれませんが、教授という方々は独特な方も多く、職員とはかけ離れた考えを持つ方も多くいらっしゃるからです。
また、職員を下に見る教授もいまだにチラホラと見られます。
こうした、一般社会とは少し違った感覚を持つ教授とも上手くやり取りをする必要があるのです。
これが意外に大変。
契約や臨時雇用の職員さんが多い
大学職員には契約職員や臨時雇用の職員さんが多いです。
皆さんが「大学職員は早く帰っている」と思う理由は、この方々の影響かもしれませんね。(非正規職員の方は早帰り、もしくは定時あがりです。)
これも私の勤めている大学だけかもしれませんが、非正規の方を多く雇わないと仕事は回りません。
正直、人員ギリギリでキツい・・💦という大学も結構あります。
大学職員の課ごとの仕事内容
大学職員の仕事内容を紹介します。
紹介する課以外にも、特有の課を持っている大学が多いです。
とりあえずは、どこの大学にもありそうな課をまとめます。
各課について解説していきますね。
何が重要、どんな人に向いてるかなんかも一言メモしておきます。
学生課
学生の生活にかかる部分を支援する課です。
学生の生活というのは、履修や単位などの教育にかかる部分以外のことを指します。
また、大学によっては、学生課で奨学金や授業料、および授業料の免除制度を取り扱うところもあるようです。
いろんなタイプの学生がいるので、学生課担当は柔軟性が大事です。
教務課
学生の履修や単位の相談、授業時間の調整などを行う課です。
仕事内容的に、3月4月、9月10月あたりは特に大忙しになります。
これも大学によって違ってくるのですが、休学退学の取り扱いも教務課で行っている場合があるようです。
でなければ、大抵は休学退学の取り扱いも学生課で対応します。
教務課はコミュニケーション力が一番重要な課です。
入試課
大学の入学試験を担当する課です。
広報課と共に合同進学説明会に出席する大学もあるようです。
また、入試問題作成の際には教授と密に連絡を取り合う必要があります。
入試課は、本番のミスはゼッタイに許されない、緊張感のある課です。
就職支援課
学生の就職支援を行う課です。
インターンシップの管理も就職支援課で行うことが多いようです。
就職支援課は外との付き合い、身だしなみやマナーをわきまえている人がベストな課です。
経理課
大学の予算管理や経費の支出を行う課です。
学生との関りはあまりない部署ですが、大学によってはこちらで授業料関連や奨学金を担当することもあるようです。
また、科学研究費(教授に割り当てられる、ある特定の研究を支援するための助成費)の管理もこちらで行います。
経理課はできて当然、できなければマイナス評価・・そんな課です。
総務課
大学の職員および教授の福利厚生面を管理する課です。
経理課とセットの大学も多い。
建物の管理については別に施設課を設けている大学もあります。
加えて、外部からのクレーム処理を総務課で行う大学もあるようです。
総務課は幅広い視野を持つ人に向いています。
広報課
大学の魅力を発信する課です。
高校生向けの合同進学説明会への参加は、入試課と一緒にというところが多いようです。
広報課は外部への発信が得意な人に向いています。
情報課
大学の情報機器を管理する課です。
基本的には、内部SEとして外部のSEさんと協力して仕事を行う場合が多いです。
情報機器の一斉更新等は平日の仕事時間中にはできないため、土日に出勤して行うケースもあります。
唯一、専門的な知識を必要とする部署ですが、知識が無くても異動させられることがあります。
大学職員の給料
大学職員として「働く」と考えるのであれば、給料面は皆さん気になるところですよね。
では、具体的に解説していきます。
大学職員の平均年収
大学職員の年収についてですが、国公立と私立でまず大きな違いがあります。
※新卒は4年制大学卒業を想定しております。また、年収は額面です。
大体、給料についてはこの程度と考えてもらって良いです。
新卒職員の給料は、院卒の場合、基本給が上がるため多少上がります。
また、給料の伸び率の面で言うと、国公立大学は大学ごとでの差はそれほどありません。
一方で私立大学は大学の規模に応じて年収も大きく変わるため、4~50代で1000万円以上の年収を望めるような大学も存在します。
ちなみに、私のところは高収入望めません・・泣
大学職員のボーナス額
ボーナスでも国公立大学と私立大学で差があります。
私立大学では、規模によってボーナスにも大きな差があります。
大学職員の各種手当
大学職員に支給される手当は、正直手厚いですね。
この他、休みなどの福利厚生もしっかりしています。
大学職員を目指す皆さんへ
大学職員は決して楽なだけの仕事じゃないとお分かりいただけたかと思います。
大学職員という仕事は最初にも書いたとおり、いろいろな種類が豊富です。
部署によっては楽なところもあるかもしれませんが、超激務な部署も確実に存在します。
なので、単純に「楽して稼げる仕事」とは思わない方が良いです。
また、少子化の影響もあり、市場が縮小化していくことが懸念されています。
そうなれば、大学自体がつぶれる可能性は少ないにせよ、今まで以上に激しい入学生確保のための激務が待っているかもしれません。
ですが、もちろん大学職員は悪いところばかりではないです。
大学職員という仕事は、未来を支える若者たちをサポートできる立派な仕事なのです。
実際、私は、未来を創る若者たちのサポートをやりがいとして働いています。
一般企業とは違った視点からやりがいを見つけられるのは大学職員ならではかと思います。
また、大学職員に向いている人を私なりにまとめると、
- コミュニケーション力の高い人
→とにかく人づきあいの多い職だからです。
- 柔軟性のある人
→ゼネラリストとしていろんな場面に対応する必要があるからです。
- とにかくコツコツ作業のできる人
→事務はコツコツの繰り返しです。残業のこともしっかり受け入れるべきです。
- サポートが得意な人
→あくまで学生と教授をつなぐパイプライン的な性質が強いためです。
結構イメージと違ったんじゃないかと。
でもこの強みがないと、正直大学職員に向いているとは言えません。
おわりに
大学職員の仕事内容について下記のとおり解説してきました。
大学職員が目指すのはゼネラリスト!
魅力としては、一般企業とは違うモチベーションで仕事に望めることです。
この記事を見て大学職員という職業について少しでもご理解いただけたなら。
そして、大学職員の道に進むか迷う皆さんの参考になれば幸いです。
長文お読みいただきありがとうございました。