「大学職員を目指してるんだけど…入試課の仕事ってどんなの?」
こんな人もいるはず。
大学職員の仕事内容は多岐にわたります。
その中でも、今回は「入試課」と呼ばれる部署の仕事内容について、現役職員が解説します。
「入試」と聞くと、受けたことはある!という人は多いのではないでしょうか。
実際、私も現職に就くまでは自分が準備する側になるとは思ってもいませんでした。
そして、入試の仕事は試験準備だけではありません。
今回は、大学事務への就職及び転職を希望する人に向けて、あまり語られることのない「入試課」という仕事の実態についてお話します。
この記事を読むことで、アナタは大学の入試課の仕事がどんなものか理解できます。
どんな仕事かを知っておくことで、気持ちに余裕をもって入試課という仕事に臨めるようになるでしょう。
ちなみに、私は現役8年目の職員です。
早速まいりましょう。
5分程度で読めます。
入試課の仕事内容
大学事務のひとつ、入試課の具体的な仕事内容です。
私の勤める大学に則した紹介になっています。
そのため、仕事によっては他の部署で管轄している大学もあるかとは思いますが、概ね同じと考えてもらって大丈夫です。
失敗の許されない、緊張感のある仕事が多いのが特徴です。
では、具体的に箇条書きでご紹介しますね。
入学試験の準備
入試課の仕事で、メインとも言えるのが入学試験の準備です。
一言でまとめると簡単に聞こえますが、失敗は絶対に許されません。
※ちなみに、入試の日程は決まっています。
センター試験(大学入学共通テスト)の準備
センター試験(2021年1月からは大学入学共通テスト)は、大学によっては大学入試センターから試験会場の依頼が来ます。
入試センターの人が来るわけでもないので、基本的には入試課を中心に大学の職員が対応します。
入試結果の公表
入試が終わったら、結果をまとめて公表するのも入試課の大事な仕事です。
合格発表だけでなく、どの学科にどれだけの受験者がいたかなど、詳細にまとめる必要があります。
ちなみに、合格者全員を把握し終えたら(後期試験が終わり、補欠合格者まで決まったら)学籍番号の割り当ても行っています。
オープンキャンパス準備
オープンキャンパスは受験を考えている生徒さん達に大学をアピールする、最大の見せ場です。
大学の魅力をしっかり伝えるために、全教職員が協力する必要があります。
そのとりまとめ役こそが、入試課です。
高校生向けに自学をアピール
広報担当と協力して、将来受験する可能性のある高校生に大学をアピールします。
入試仕事の実例
紹介した仕事内容について、より具体的な対応例をいくつかご紹介します。
こちらについて、より具体的に解説しますね。
入学試験の準備の重要ポイント
入学試験の準備における重要ポイントは以下のとおり。
- 依頼を計画的にこなすこと
- 試験当日を何事もなく終えること
- 個人情報等に細心の注意を払うこと
こんなところです。
言ってしまえば当然のことばかりなのですが、特に入試においては心構えが重要です。
例えば、依頼を計画的にできていないと…
※もちろん、個人情報や試験情報の流出、試験当日に事件が起これば報道沙汰、かつ慰謝料などの裁判沙汰にもなりかねません。
見ていただいたとおり、小さなミスに見えても対応には多くの時間・労力をさくことになります。
また、受験生の方々にとっては未来のかかっていることなので、本人も保護者も気が気ではありません。
非常にナイーブな問題なのです。
このような不備自体は決して多いものではないので、しっかり気を付けてやれば問題はありません。
ですが、常に細心の注意を払って仕事に取り組むある必要があるのも事実です。
「大学と受験生の方々、両方の未来を変えてしまうかもしれない。」という気持ちを持って臨みましょう。
入試結果の公表の重要ポイント
入試結果の公表における重要ポイントは以下のとおり。
- 迅速かつ丁寧にこなすこと
- 周りの人員と協力すること
まとめると簡単になっちゃいました。そして、これも当然な感じですね。
ですが、素早さと丁寧さを両立させるのは意外に神経を使います。
特に、合否判定には絶対に破れない期日がありますから。
仮に、合否判定において…
- 公表の期日に間に合わなかった→ありえない。そんなことあったら全受験生に謝罪(だと思う。例がないので。)。
- 合格者を間違えて公表した→同じく、ありえない。当事者には確実に謝罪だし、他の受験生からの不信感も募る。(合格通知を出した者は合格、誤って不合格にしたものは追加合格が一般的。)
上記のとおり、合否判定のミスはあり得ないですね。
なぜなら、受験生および家族にとって最も大切な結果ですから。
入試担当は、短い期間に一気に合格者の取りまとめをし、公表しなければなりません。
ですが、学生のためにも大学の信頼のためにも絶対にミスは許されません。
そのため、しっかりと計画を立てて迅速に行動する。
そして、協力体制を取ってミスのないようチェック体制を整えることが大切です。
オープンキャンパス準備の重要ポイント
オープンキャンパス準備における重要ポイントは以下のとおり。
- 広報をしっかりと行うこと
- 全学のことを把握すること
試験準備や、入試結果の公表に比べれば緊張感はマシかもしれません。
ですが、大学の未来を背負っているとも言える一大イベントなので、ないがしろにはもちろんできません。
- 広報がしっかりされていなかったら…
→大学に興味を持つ高校生が減る
→オープンキャンパスに来る高校生が減る
→そのまま受験生も減る - 入試担当が全学のことを把握していなかったら…
→教授や学部からの不信感が募る+職員やアルバイト学生がうまく協力できない
→来学した高校生をうまく案内できない
→高校生が不信感を持ち、受験生が減る
上記のとおり、広報がしっかりできていないと未来の受験生をみすみす手放す可能性もあります。
受験生=入学生は大学が運営していくうえで最大の”お客様”ですから、離れていくと経営にも陰りが見えるのは簡単に想像できるでしょう。
また、入試担当自体が大学のことを把握していないのも同様に問題です。
なぜなら、上手く学内で協力依頼もできないですし、広報もできませんからね。
入試担当は、大学のためにも受験を考える高校生のためにも、大学のことを知り、最大限に魅力を伝える必要があるのです。
入試担当に最も必要な能力一つ
入試担当に最も必要な能力は、ずばり「想定力」です。
理由は、入試担当は大学のため、そして受験生のためにもミスのできない仕事を圧倒的に任されるからです。
特に、受験生にかかわる仕事が最も多いのは入試担当です。
そして、説明してきたとおり、受験生にかかわる仕事は彼ら彼女らの未来を変えてしまうほどナイーブなものがたくさんあります。
そんな中、何も考えずに"とりあえず仕事をこなす"という姿勢では、思いがけないミスを起こすことにもなりえません。
どれほど些細なミスであっても、最終的には大ごとになる可能性がある、ということを忘れてはいけないのです。
ゆえに、入試担当は
- なぜこの仕事を先にしないといけないのか。後回しにするとどうなるのか。
- もしこの仕事を忘れてしまうとどうなるのだろう?
といったように、常に先のことを想定して仕事に取り組む必要があると言えます。
何度も考え、想定し、確実にミスのないシナリオを作り上げたうえで仕事に臨みましょう。
※ただし、想定外に対処する柔軟性も必要なのでお忘れなく。
まとめ
今回は、大学事務の中でも入試課の仕事内容について解説しました。
この記事で、入試事務がどんなものかイメージしていただけたでしょう。
就職先として、大学職員を考える際の参考になればうれしく思います。
長文お読みいただきありがとうございました。
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