大学職員になりたいんだけど…就職課のお仕事ってどんなの?
こんな人もいるはず。
大学職員の仕事内容は多岐にわたります。
その中でも、今回は「就職課」と呼ばれる部署の仕事内容について、現役職員の私が解説します。
就職課と聞くと、面接練習などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ですが、当然、裏方で求人を取り扱ったり、企業人事の方と面談する仕事もあります。
その仕事も就職課の大切な役目です。
今回は、大学事務への就職及び転職を希望する人に向けて、あまり語られることのない大学の「就職課」という仕事の実態についてお話します。
この記事を読むことで、アナタは大学の就職課の仕事がどんなものか理解できます。
どんな仕事かを知っておくことで、気持ちに余裕をもって就職課という仕事に臨めるようになるでしょう。
ちなみに、私は8年目の現役職員です。
ぜひ、参考にしてください。
この記事は5分程度で読めます。
就職課の仕事内容
大学事務のひとつ、就職課の具体的な仕事内容です。
私の勤める大学に則した紹介になっています。
そのため、仕事によっては他の部署で管轄している大学もあるかとは思いますが、概ね同じと考えてもらって大丈夫です。
学生の面接以外にも、こまごまとした作業が多い印象です。
また、学外の方との接点が多いのも特徴です。
では、具体的に箇条書きでご紹介しますね。
就活生の面接練習
- 就活生が窓口に面接やエントリーシートの書き方相談に訪れる
- エントリーシートや履歴書の添削を行う
- 個別面接の練習を行う
- 学生を募集し、集団面接やグループディスカッションの練習を行う
- 就職アドバイザーが常駐している
求人票の管理
- 企業から郵送(もしくはメールで送られてくる)求人票をデータで一括管理する
- 紙の求人票はファイリングし、学生がいつでも見られるようにする
- 学科ごとに、特に必要そうな求人票をピックアップする
- 相談に来た学生に、合いそうな求人を紹介する
- 求人票の様式を作成し、企業に求人を出してもらうよう依頼する
企業人事担当との面談
- 企業の人事担当者と学生の就職状況について面談をする
- 企業に向けて、弊学の学生がどんな企業に就職しているかアピール
- 面談に訪れた企業は、学生にポータルサイトで周知
- 場合によっては、就職担当の教員も同席する
- 学生にマッチングしそうな企業は、個別に企業セミナーを開催
就職率の管理
- 就職先が決まった時、学生に報告させる
- 学生の報告をもとに、企業名・業種・職種・正規非正規などを一覧表に取りまとめる
- 内定あり、内定なし、進学などに分類し、就職率を割り出す
- 内定のない学生に対しては声掛けを行い、状況を把握する。場合によっては就職を斡旋する
- 学生の報告だけでは就職率を割り出せないので、学科の教員にも学生の内定管理をお願いする
- 次年度、学校基本調査(文部科学省)で報告する
学内就職セミナーの開催
- 学内で、弊学の学生に向けた多数の企業が出展する就職セミナーを3月に開催する
- 前もって、企業にセミナーご参加の依頼をかける
- 地元企業が中心
- 形式は各企業ごとにブースを用意し、説明会を各々開催する
- 当日は、参加人数に偏りが出ないように学生を企業ブースに誘導する
- セミナー会場で直接エントリーを行う
- セミナーきっかけで就職を決める学生も多い
- 公務員志望者に向けたセミナーも開催する(弊学では年間を通した講座を開講しています。)
企業や学生に向けた就職冊子の作成
- 就職活動を行う上でのガイドブックを作成・配布
- 就活生に向けた、実際に就職活動をしてきた先輩の体験談を載せた冊子を作成・配布
- 就職活動を終えた学生にインタビューを行う
- 冊子をもとに、就活生向けセミナーを開催
- 企業様には、弊学の学生が何を学び、どのような就職をしているかを載せた冊子を作成・配布
- 役員や教授と話し合い、企業向け冊子の内容を会議で決める
- 校正、印刷の手配などを行う
就職課の仕事の実例
就職課の仕事の実例を紹介します。
それでは、順に解説していきますね。
学生の就職相談
学生の就職相談で大変な点は、明確な正解がないところです。
理由は、学生が就職したい企業は様々だから。
とても就職担当だけではまかなえないのが現実です。
そのため、弊学では(他大学でもそうでしょうが)専任の就職アドバイザーがいます。
なので、アドバイザーさん任せになることも多いです。
学生さんにもメリットがありますし。
また、就職担当に相談に来る学生は意外に多いです。
慣れてくると、学生から指名されることも。
ですが、緊張する必要はありません。
相談に来る学生は、大概、自分から動ける学生なので、内定を取れます。
ですので、最低限でいいので就活に関する本を読んで知識を得ましょう。
そして、学生の相談を親身になって聞き、安心させることが大事です。
求人票の管理
求人票の管理で大変なのは採用活動が始まった直後。
弊学でも1日に100件以上の求人票が届きます。
とても登録が追いつきません。
また、登録だけでなく各学科ごとに関連のある求人票を分類する必要があります。
正直、この採用活動始まりの時期を越えてしまえば大した仕事量ではありません。
ですが、就職活動はスタートダッシュが大切。
学生のためにもなるべく素早く求人票の登録をして、公開するようにしましょう。
就職率の管理
就職率の管理で大変なのは、とにかく学生からの報告がないことです。
学生は、内定しても報告にわざわざ来ないからです。
学生任せにしていると、いつまで経っても正確な率が出せません。
そこで、教授にお願いして学科の就職率を把握してもらう訳です。
ですが、学科によりけりなので全く把握していない学科も…( ̄▽ ̄;)
就活状況は、郵送、電話連絡あらゆる手段を使って把握することになります。
この把握作業、かなり時間がかかるので骨が折れます。。
就職率把握のコツとしては、とにかく早く行動すること。
そして、報告に来てくれた学生に友達も呼んでくるように頼むこと笑
これが意外と効果あります。
学校基本調査で報告する義務があるので、怠らずやりましょう。
学内就職セミナーの開催
学内就職セミナーで大変なことは、有名企業の誘致と学生の目を向けさせることですね。
まず、弊学は有名マンモス校ではないので、大手企業に来てもらうのに一苦労です。
そもそも、内定者が数名出ないと来てくれません。
内定者が数名出て、なおかつ丁寧にお願いしてなんとか出席を取り付ける感じです。
その分、学生の企業への食いつきは半端ないですが。
また、一方で地元の中小企業は参加してくれるのですが、学生が振り向いてくれません。
弊学の学生を欲する企業と、大手に就職したい学生の間にある齟齬を埋めるのも、就職担当の仕事です。
就職セミナー会場を見回り、迷っている学生を地元企業のブースに参加させる。
説得は大変ですが、地元企業とは長い付き合いになるのでしっかりこなすようにしましょう。
実際、隠れた名企業も山ほどありますしね。
就職冊子の作成
就職冊子の作成で大変なことは、内容の精査です。
というのも、特に企業向けの冊子に関しては役員や教授からの要望が多いからです。
企業に対し、大学や学科をアピールするための冊子なので仕方ありませんが、ページ数や予算を無視して要望を出してくることもしばしば。
学科ごとの紹介に不平等が出ないようにしないと、就職担当はかなり責められます。
また、役員の一言で冊子全体の構造がいきなり変わってしまうこともあったようです。。
就職冊子の作成で大事なのは、予算やページ数など、守ることをしっかり主張したうえで、教授や役員の要望に柔軟に対応すること。
決して流されすぎてはいけません。
就職担当に最も必要な能力一つ
就職担当に最も必要に能力は、「学生のため」を考えることですね。(うまく言えず申し訳ない。)
まず、就職担当は学生(ほぼ就活生ですが)と接する機会が多い職でもありますので、「学生のため」ということを特に念頭に置く必要があります。
学生のためを思い、企業へセミナー参加の交渉や求人依頼など、大学からもお願いする姿勢が必要不可欠です。
そして、学生のために現状の求人動向を把握し、ESや面接などの知識を学び、学生がより良い企業に就職する手助けをするのも大きな役割ですね。
※より良い企業とは「大手企業」ではなく、「学生に合った企業」「学生が志望する企業」のこと。
大学としては、学生に大手企業に就職してもらうほうが見栄えは良いです。
しかし、「学生のため」ということを考えるほうが職員としては正しいでしょう。
また、就職担当の行いが今の就活生だけではなく、未来の就活生のためにもなることを覚えておきましょう。
意外だったかもしれませんが、学生の未来を考えると就職担当こそが一番「学生のため」を考えることを重要視される職なのです。
まとめ
今回は、大学事務の中でも就職課の仕事内容について解説しました。
この記事で、就職課の仕事内容がどんなものかイメージしていただけたでしょう。
就職先として、大学職員を考える際の参考になればうれしく思います。
長文お読みいただきありがとうございました。
気になる方は、他の部署の仕事内容についてもぜひどうぞ↓↓
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